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借入資金の使途

開業資金を融資で調達するにあたっては、借入資金の使途を明確にしたうえで借入の申込をする必要があります。
新規開業にあたって必要となる開業資金は、次のように色分けされます。
(1) 新規開業に必要となる資金………………設備資金
(2) 開業後の一定期間に必要となる資金……運転資金

(1) 新規開業に必要となる資金

 例えば、新しく事務所をつくるために必要となる、大家さんへの敷金・礼金、事務所の内装レイアウト、机・いす、応接セット、電話、ファックス、コピー機などの取得(あるいはリース)に伴う支出が考えられます。また製造業のビジネスなら、工場建設に必要となる建物、土地の購入(あるいは賃借)、製造機械の購入(あるいはリース)などが考えられます。
これらは、一般に「設備資金」に分類される資金使途になります。

(2) 開業後の一定期間に必要となる資金

 どのくらいの期間を想定するかは意見が分かれるところですが、開業資金調達段階においては、開業後2年間を想定しておくべきでしょう。民間金融機関からの借入ができるまでの最低期間、日常的な事業運営に必要となる支出を賄うための資金、すなわち「運転資金」に分類される資金使途です。

 例えば製造業であれば、製品をつくるのに必要となる原材料仕入代金、役職員の給料・賞与、工場の光熱費、税金など。小売業であれば商品仕入代金、役職員の給料・賞与、事務所や店舗の家賃・光熱費、税金などが考えられます。

 「設備資金」は、数年間にわたる長期借入で資金調達をしましょう。 
購入目的となる設備の使用可能年数以内で、当該設備から得られた収益を返済原資として、長期間にわたり借入金を返済していくのです。

 もし設備資金を短期間の借入金で賄った場合、購入した設備から会社が収益を獲得する以前のタイミングで返済期限が来ますから、借入金をいったん返済しなければなりません。その場合、短期借入金の「借り換え」ができればいいのですが、もし金融機関が借り換えに応じない場合には、会社の運転資金がショートして倒産する危険性が高まることになります。

 「設備資金は、設備使用期間を借入期間とした長期借入金で賄う」
のが資金繰りを楽にする大切なポイントです。

 一方の、運転資金。
 「運転資金は、1年以内の短期借入金で賄う」
のが、財務戦略上のセオリーです。

 ビジネスを展開する上では、販売するために必要となる商品や原材料の仕入代金や人件費の支払が売上代金の回収よりも早いため、会社には資金の立替負担が生じます。その立替負担がどの程度の期間、いくらくらい必要になりそうか、をあらかじめ予測します。そして金融機関に早いタイミングから財務内容と資金繰りの状況をすすんで情報提供(月次の決算報告)をしたうえで、「これだけの金額について運転資金の融資をお願いしたい」と申込みするのが、事業が軌道に乗った後における民間金融機関とのお付き合いのしかたです。

 ただ新規開業して間もない場合、事業が軌道に乗るまでに時間が必要となるのが通例ですし、また民間金融機関からの借入をする場合でも開業後2事業年度の税務申告実績が必要となるため、その間は融資を受けることができません。

 従って当面の運転資金を確保するには、国民生活金融公庫など公的金融機関から、1年を超える長期間の借入を行って、月々の返済負担を軽くしながら、運転資金を切り回していく必要があるのです。

※国民生活金融公庫(国金)は、2008年10月に「日本政策金融公庫」へ移行します。

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