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合同会社(LLC)設立支援.NET » Archive: 1月 2008

合同会社(LLC)における利益の配当

合同会社(LLC)における利益の配当

合同会社(LLC)においては、社員は、原則として、いつでも、利益の配当を請求することができます。

そして、利益の配当を請求する方法その他利益の配当に関する事項については定款で自由に定めることができますので、利益の配当に関する事項について定款で定めた場合は、定款の定めにしたがうことになります。

定款で定めることができる事項としては、利益の配当を請求することができる時期・回数、当期に配当する利益金額の決定方法などがあります。

なお、後述の「利益額」を超える利益配当の請求に関しては、定款などで利益配当を請求できる場合であったとしても、合同会社(LLC)は社員からの利益配当の請求を拒むことができます。

合同会社(LLC)における利益配当の制限

合同会社(LLC)は株式会社と同じく有限責任の会社ですから、合同会社(LLC)の財産が減少する利益の配当を無制限に認めると、合同会社(LLC)の債権者が不利益を被ることになり不都合です。

そこで、合同会社(LLC)においては、債権者保護のため、配当可能な限度額が定められており、配当可能な限度額を超える利益の配当はできないことになっています。

この配当可能な限度額は、合同会社(LLC)全体での限度額(下記A)と社員個別での限度額(下記B)があり、いずれか小さい方の額が、最終的な配当可能限度額となります。

この最終的な配当可能限度額のことを、法律上「利益額」といいます。

利益額(配当可能限度額)の基準
A 合同会社(LLC)全体での限度額 配当する時点における利益剰余金の額
B 社員個別での限度額 既に分配されている利益の額から既に分配された損失の額および既に配当を受けた額を減じた額

【注意】A、Bのうち小さい方の額が「利益額」となります。合同会社(LLC)は「利益額」を超える配当請求を拒否できます。

違法配当を行った社員の連帯責任

上述の利益配当の制限に違反して「利益額」を超える違法な利益配当が行われた場合には、当該違法配当に関する業務を執行した社員は、職務を行うについて注意を怠らなかったことを証明しない限り、当該違法配当を受けた社員と連帯して、配当額に相当する金銭を合同会社(LLC)に対して支払う義務を負います。

この義務は、原則として免除することができません。

ただし、例外として、利益の配当をした日における利益剰余金の額を限度として当該支払義務を免除することについて総社員の同意がある場合は、利益剰余金の額を限度として当該支払義務が免除されます。

違法配当を受けた社員に対する請求

利益額を超える違法配当が行われた場合に、その利益配当に関する業務を執行した社員が、配当額に相当する金銭を合同会社(LLC)に対して弁償したとします。

この場合、原則として、業務執行社員は違法配当を受けた社員に対して配当額に相当する金銭を請求することができます。

しかし、違法配当を受けた社員が、違法配当であること(=配当額が利益額の制限を超えていること)を知らなかった場合は、例外として、業務執行社員からの請求に応じる義務は負わないとされています。

ただし、この例外的な場合であっても、合同会社(LLC)の債権者は、違法配当を受けた社員に対して、配当額に相当する金銭を支払わせることができます。
(配当額が、債権者の合同会社(LLC)に対して有する債権額を超える場合は、債権額までの金銭を支払わせることができます。)

期末に欠損が生じた場合の責任

利益配当が配当制限に違反して行われたものでなかったとしても、合同会社(LLC)が利益配当をした結果、配当した事業年度の末日に「欠損額」(※1)が生じる場合があります。

この場合、当該利益配当に関する業務を執行した社員は、その職務を行うについて注意を怠らなかったことを証明しない限り、合同会社(LLC)に対して、当該利益を受けた社員と連帯して、その欠損額を支払う義務を負います。

ただし、当該欠損額が配当額を超えるときは、当該配当額を支払えば足ります。

なお、この支払義務については、総社員の同意がなければ免除することはできません。

※1【欠損額について】

下記のAの額からBとCの合計額を減じて得た額(ゼロ未満の場合はゼロ)が「欠損額」とされています。

つまり、「欠損額」=A-(B+C)です。

欠損額の基準
A ゼロから「当該利益配当をした日の属する事業年度の末日における資本剰余金の額および利益剰余金の額の合計額」を減じて得た額
B 当該利益配当をした日の属する事業年度に係る当期純損失金額
C 当該事業年度において持分の払戻しがあった場合における次の(イ)から(ロ)の額を減じて得た額(ゼロ未満の場合はゼロ)※2

  •  (イ)当該持分の払戻しに係る持分払戻額
  •  (ロ)当該持分の払戻しをした日における資本剰余金の額および利益剰余金の額の合計額

※2…持分の払戻しにより資本剰余金の額および利益剰余金の額の合計額を超える払戻しをした場合の超過額ということ

合同会社(LLC)の法人社員に関するQ&A

Q1.法人も合同会社(LLC)の社員になれますか?

A.法人も合同会社(LLC)の社員になれます。

旧商法下では、法人が合名会社の社員や合資会社の無限責任社員になることが禁止されていたので、「法人が合同会社(LLC)の社員になれる」ということに違和感を覚える方もいらっしゃるようですが、現在の新会社法のもとでは、合同会社(LLC)・合名会社・合資会社の全ての会社類型において法人が社員になることが認められています。

Q2.法人も合同会社(LLC)の業務執行社員になれますか?

A.法人も合同会社(LLC)の業務執行社員になれます。

ただし、法人を業務執行社員にすることができるといっても、現実的には、法人ではない生身の人間(自然人)が業務を行うしかありません。

そのため、法人が業務執行社員である場合には、その法人は、現実的に業務を執行してくれる人物(職務執行者) を選任し、その者の氏名および住所を他の社員に通知しなければなりません。

Q3.法人業務執行社員が選任する職務執行者には特定の資格が必要ですか?

A.職務執行者に特定の資格は不要です。

ですから、法人が業務執行社員である場合には、その法人の役員や従業員以外の者でも職務執行者とすることができます。

たとえば、その法人の顧問をしている弁護士や経営コンサルタントなどの外部の専門家を職務執行者として選任することも問題ありません。

この場合、法人と職務執行者の間の具体的な法律関係は、法人と職務執行者間で締結される契約(ex委任契約や雇用契約など)によって決まります。

Q4.職務施行者に選任された場合、負うべき義務はありますか?

A.法人業務執行社員に代わって業務を執行する職務執行者は、業務執行社員が合同会社(LLC)に対して負うべき義務と同様の義務を負うことになります。

義務の詳しい内容に関しては、

をご覧ください。

Q5.法人も合同会社(LLC)の代表社員になれますか?

A.法人も合同会社(LLC)の代表社員になれます。

ただし、法人を代表社員にして合同会社(LLC)を設立する場合は、その法人に代わって、代表社員としての職務を執行してくれる人物(職務執行者)を選任する必要があります。

ですから、法人を代表社員にして合同会社(LLC)を設立する場合は、個人のみを社員にして合同会社(LLC)を設立する場合にも必要になる書類に加えて、職務執行者の選任に関する書面などを別途、添付する必要があります。

具体的には以下の書類が別途必要になります。

法人を社員にする場合に必要な添付書類
法人が代表社員である場合 法人が代表社員以外の社員である場合
添付書類
  1. 当該法人の登記事項証明書※1
  2. 当該法人の職務執行者の選任に関する書面※2
  3. 当該法人の職務執行者の就任承諾書
当該法人の登記事項証明書※1
(法人が業務執行権を持たない単なる有限責任社員の場合、登記事項証明書を不要とする法務局もあります)
  • ※1…当該法人の本店または主たる事務所の所在地を管轄する登記所に登記を申請する場合には添付を省略できます。
  • ※2…当該法人の業務執行の決定機関において選任したことを証する書面(議事録など)を添付します。具体的には以下のa~dのとおりです。
    • 当該法人が株式会社である場合には、取締役が選任したことを証する書面(取締役会設置会社にあっては取締役会議事録、委員会設置会社にあっては執行役が選任したことを証する書面)
    • 当該法人が持分会社(合同会社(LLC)、合名会社、合資会社)である場合には、社員が選任したことを証する書面
    • 当該法人が学校法人その他の理事会が法定されている法人である場合には、理事会議事録
    • 当該法人が民法法人その他の理事会が法定されていない法人である場合には、理事の過半数をもって選任したことを証する書面
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