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合同会社(LLC)設立支援.NET » Archive: 9月 2007

合同会社の意思決定方法

合同会社(LLC)における業務執行の意思決定方法

業務執行社員を定款で定めない場合で、かつ、合同会社(LLC)の社員が2人以上いる場合には、定款で別段の定めをしない限り、合同会社(LLC)の業務についての意思決定は社員の過半数で決定するのが原則となります。

業務執行社員を定款で特別に定めた場合で、かつ、業務執行社員が2人以上いる場合には、定款で別段の定めをしない限り、合同会社(LLC)の業務についての意思決定は業務執行社員の過半数で決定します。

もっとも、業務執行社員を2人以上定めた場合であっても、定款で別段の定めをしない限りは、支配人の選任および解任については、社員の過半数をもって決定することになります。

ところで、会社運営にとって重要な行為である「業務」とは異なり、消耗品や備品の購入、事務所の賃貸借契約などの日常的な行為は「常務」といいます。

業務執行社員を定款で定めない場合、日常的な行為である常務については、原則として、各社員が単独で行うことができます。
ただし、常務の完了前に他の社員が異議を述べた場合は社員の過半数で決定します。

また、業務執行社員を定款で特別に定めた場合、日常的な行為である常務については、原則として各業務執行社員が単独で行うことができます。
ただし、常務の完了前に他の業務執行社員が異議を述べた場合は業務執行社員の過半数で決定します。

なお、合同会社の場合、株式会社の株主総会に該当する社員総会や、取締役会に該当する業務執行者会を開催することは会社法上義務付けられていません。

ですから、そもそも社員総会を開催するのか、あるいは、開催するとして何について社員総会で決議するのか(決議事項の内容)等についても、定款で自由に定めることができます。

意思決定方法のまとめ

  業務執行社員の定め無し 業務執行社員の定め有り
業務 原則として社員の過半数 原則として業務執行社員の過半数
支配人の選任・解任 定款に別段の定めが無い限り、社員の過半数
常務 原則として、各社員が単独で行える
ただし、常務の完了前に他の社員が異議を述べた場合は社員の過半数で決定
原則として、各業務執行社員が単独で行える
ただし、常務の完了前に他の業務執行社員が異議を述べた場合は業務執行社員の過半数で決定

合同会社の業務執行役員と代表権

合同会社(LLC)の業務執行社員とは?

まず、法律上「社員」という言葉は、出資者のことを意味します。従業員という意味ではありませんので注意して下さい。

合同会社(LLC)においては、原則として、各社員(=出資者)全員が業務を執行する権限を持っていますが、例外として、業務を執行する権限を持つ特定の社員を定款で定めた場合は、その特定の社員のみが業務を執行する権限を持ちます。

このような、合同会社(LLC)の業務を執行する社員として定款に定められた特定の社員のことを業務執行社員といいます。

なお、合同会社においては、法人も社員になることができるので、法人を業務執行社員とすることもできます。
ただし、法人を業務執行社員にすることができるといっても、現実的には、法人ではない生身の人間(自然人)が業務を行うしかありません。

そのため、法人が業務執行社員である場合には、その法人は、現実的に業務を執行してくれる人物を選任し、その者の氏名および住所を他の社員に通知しなければなりません。

ところで、業務執行社員を定款で定めた場合、業務執行社員以外のその他の社員には業務を執行する権限はありませんが、このことは、業務執行社員以外の社員が一切何もできないということを意味するものではありません。

業務執行社員以外の社員であっても、会社の業務および財産を調査する権限はあります。つまり、業務執行社員以外の社員であっても、業務執行社員を監視する権限はあるということです。

この調査する権限については、定款で制限することができますが、事業年度の終了時または重要な事由があるときの調査に関しては定款によっても制限できません。

合同会社(LLC)の代表権とは?

代表権とは、会社を代表して契約の締結などの対外的な行為をすることができる権限のことです。

合同会社(LLC)では、原則として、社員全員が会社を代表する権限を持っています。

しかし、特定の社員を業務執行社員として定款に定めた場合は、その業務執行社員が合同会社(LLC)を代表することになります。

(ただし、特定の社員を業務執行社員として定款に定めた場合であっても、業務執行社員以外の社員を会社を代表する社員として定めることもできますし、また、社員以外の者を会社を代表する者として定めることもできます。)

そして、業務執行社員が2人以上定款に定められている場合には、業務執行社員の各自が合同会社(LLC)を代表することになります。
また、業務執行社員が2人以上定款に定められている場合には、定款や定款の定めに基づく社員の互選によって業務執行社員の中から会社を代表する社員(代表社員)を定めることもできます。

合同会社(LLC)を代表する社員は、合同会社(LLC)の業務に関する一切の裁判上または裁判外の行為をする権限を持つことになります。

この代表社員の権限に制限を加えたとしても、その権限が制限されていることを知らない第三者には、権限が制限されていることを主張できないので注意して下さい。

なお、会社を代表する社員やその他の代表者が職務を行った結果、第三者に損害を与えた場合、合同会社(LLC)自体が損害を受けた第三者に対して損害を賠償する責任を負います。

合同会社設立に必要な費用

合同会社(LLC)の法定費用は最低6万円でOK!

合同会社(LLC)設立に必要な費用を大きく2つに分けると「実費」と「専門家に業務を依頼した場合の報酬」に分けることができます。

実費とは国に払う税金や印鑑作成代金等のことですので、合同会社(LLC)の設立手続きを専門家に依頼せずご自身で手続きされた場合にも最低限必要になる費用です。

実費の内訳

印紙代 4万円(電子定款で0円に!)
登録免許税 6万円
その他 印鑑代など
合計 10万円+α(印鑑代など)

合同会社(LLC)は株式会社と異なり公証人による定款認証が不要なので定款認証手数料が必要ありませんし、登録免許税の最低額自体も株式会社より安いです。この点は合同会社(LLC)の大きなメリットといえます。「合同会社(LLC)のメリット」も参照して下さい。

しかも、定款を紙に書かれた定款ではなく、電子定款にすれば印紙代が不要(0円)となるので、合同会社(LLC)設立の実費はたった6万円+αですむことになります。

合同会社設立の流れ

1 社員となる人の決定

  • 「社員」とは出資者のことです。世間一般でいうところの従業員ではありません。
  • 合同会社(LLC)では原則として社員の全てが業務を執行することになります。
  • 合同会社(LLC)は、一人以上の個人または法人の社員が必要です。

2 定款の作成

  • 「定款」とは会社運営についてのルールのことです。
  • 合同会社(LLC)の組織運営は法律で強制させられる点が株式会社に比べて少ないので、定款でのルール作りが株式会社の場合に比べて一層重要になります。
  • 合同会社(LLC)を設立するためには、社員になる人が定款を作成し、その社員全員がその内容を同意したということで署名をし、または記名押印することが必要です。
  • 定款に記載する事項には、「絶対的記載事項」(定款に必ず記載しなければならない事項)、「相対的記載事項」(定款に記載がなければ効力が生じず法律の規定通りになってしまう事項)、「任意的記載事項」(法律や公序良俗に違反しない限り自由に任意の取り決めをすることができる事項)の3つがあります。

絶対的記載事項

  1. 目的
  2. 商号
  3. 本店の所在地
  4. 社員の氏名または名称および住所
  5. 社員の全部を有限責任とする旨
  6. 社員の出資の目的およびその評価の基準

相対的記載事項

  1. 業務執行社員の定め
  2. 代表社員の定め
  3. 利益の配当
  4. 損益分配の割合
  5. 退社の条件
  6. 解散事由、等

任意的記載事項

  1. 決算期(事業年度)
  2. 代表社員や業務執行社員の報酬
  3. 社員総会を開催する場合の規定、等

3 出資金の払込

  • 代表者個人名義の口座を作り、そこに各社員が出資金を振り込みます。
  • 出資の対象となるものは金銭とその他の財産に限定されます。つまり、現物出資は可能ですが、信用や労務での出資は認められていません。
  • 合同会社(LLC)の社員になろうとする者は、定款の作成後、合同会社(LLC)設立の登記をするときまでに、出資金を全額払い込むか、または、出資をするものがお金以外の財産 (exパソコンや車など) であればその全部を給付しなければなりません。

4 設立登記の申請書類の作成

  • 合同会社定款(電子定款で4万円安くなります!)
  • 代表社員の就任承諾書
  • 本店所在地、代表社員及び資本金決定書
  • 資本金の額の計上に関する証明書(出資が金銭のみの場合不要)
  • 出資払込証明書
  • 登記申請書
  • OCR用紙
  • 印鑑届書

5 設立登記の申請

  • 本店所在地を管轄する法務局に設立登記の申請をします。
  • 登記申請日が合同会社(LLC)の成立日になります。

6 合同会社(LLC)設立後の、社会保険事務所・税務署等への届け出

  • 社会保険関係の届け出
  • 税務関係の届け出

※当事務所に会社設立をご依頼頂いたお客様には、社会保険労務士・税理士との連携により会社設立後の諸届出についてもご案内しております。お気軽にお申し付け下さい。

合同会社(LLC)のメリット

1 設立に必要な法定費用が株式会社と比べて安い。

株式会社の場合、最低でも約24万円(登録免許税15万円、定款認証手数料5万2千円、定款印紙代4万円)の法定費用が必要です。
それに対して、合同会社(LLC)の場合、登録免許税自体が株式会社より安く、さらに定款認証が不要なので最低で10万円(登録免許税6万円、定款印紙代4万円)で済みます。

なお、当事務所は電子定款に対応していますので、当事務所に業務を依頼していただければ定款印紙代4万円が不要になり、結果的には法定費用は6万円で済むことになります。

法定費用の比較

  登録免許税 定款認証手数料 定款印紙代 合計
株式会社 15万円 5万2千円 4万円※1 24万2千円※2
合同会社(LLC) 6万円 0円 4万円※1 10万円※3
  • ※1…電子定款対応事務所に依頼した場合0円
  • ※2…電子定款対応事務所に依頼した場合20万2千円
  • ※3…電子定款対応事務所に依頼した場合6万円

2 自由な組織設計が可能でありかつ迅速な意志決定ができる

株式会社では、株主総会、取締役など一定の機関の設置が強制されます。株式会社の種類によっては、経営者を監視する取締役会や監査役、委員会などの設置が必要になります。

ですから、自然と株主の意向に沿った経営に陥りやすく迅速な意思決定が難しい面があります。

それに対して、合同会社(LLC)は監視機関の設置が義務付けられていないため、株式会社に比べて迅速な意思決定が可能です。つまり株主総会や取締役会などの機関を設けて会社の意思決定を行う必要がないので、出資者間で直接合意し意思決定することが可能であり、迅速な意思決定を行うことができます。

3 利益配分や組織の意思決定が自由

株式会社と異なり利益配分や組織の意思決定を出資金額の比率に拘束されず自由に決めることができます。

4 定期的な役員変更不要なため役員変更にかかる費用を節約できる

株式会社と異なり定期的な役員変更が不要なので、役員変更にかかる費用を節約できます。

株式会社の場合、役員の任期は原則として「取締役は2年」「監査役は4年」と定められています。非公開株式会社(株式に譲渡制限ついている株式会社)の場合は、取締役・監査役ともに任期を10年まで延長することも可能ですが、任期が存在し、定期的な役員変更が必要なことには変わりありません。

それに対して、合同会社(LLC)には法律上役員の任期が定められていませんので、定款で「任期を~年とする」と定めない限り、役員の任期は存在しません。

したがって、合同会社(LLC)の場合は役員の変更を行う必要性が特にない限り、無意味に定期的な役員変更手続きを行う必要がありません。

このように、合同会社(LLC)の場合は株式会社と異なり、無意味な定期的な役員変更が不要な分、役員変更手続きにかかる収入印紙代や手続きを依頼した専門家に支払う報酬代を節約できる訳です。

5 有限責任でかつ法人格がある。

この点は株式会社と合同会社(LLC)共通のメリットです。有限責任であるということは、万が一事業が破綻してしまった場合にも、出資した金額の範囲でしか責任を負いません。出資額の範囲を超えて全財産を失うといったリスクを回避できます。これは個人事業主や合名会社、合資会社には認められない大きなメリットです。

また、合同会社(LLC)には法人格があるので、将来、資金需要が増大した場合や事業が成功して組織の規模拡大の図りたい場合、株式会社への組織変更も可能です。

ちなみに、合同会社(LLC)と似ているためよく比較される有限責任事業組合(LLP)は、法人格が無いので株式会社に組織変更ができません。また、有限責任事業組合(LLP)の場合は法人格を要件とする許認可が受けられないこともありますので担当の役所で必ずご確認ください。

6 社員一人でも設立可能。資本金が1円でも設立可能。

社員数については法律上規制がないことや、社員が一人になることが法律上解散事由に挙げられていないことから、社員一人による合同会社(LLC)の設立および存続も認められます。

また、設立時の出資額についても法律上何ら規制がないため1円の出資でも合同会社(LLC)の設立が可能です。

合同会社(LLC)ってなんですか?

合同会社(LLC)とは、2006年に施行された新会社法によって認められた新しい会社の形態です。

合同会社(LLC)の存在は、日本ではまだあまり知られていないかもしれませんが、アメリカではすでに合同会社(LLC)数が100万社に達する程活用されています。合同会社(LLC)の活用によって起業が促進され、アメリカ経済の活性化につながったと言われているほどです。

合同会社の特徴

合同会社(LLC)の最大の特徴は、

  1. 出資者が出資した金額の範囲でしか責任を負わない有限責任の法人でありながら、
  2. 利益配分や組織の意思決定を出資比率に拘束されず自由に決めることができる、

という点にあります。

①の特徴については従来から存在する株式会社と同じですが、②の特徴については従来から存在する株式会社と全く異なります。

簡単な具体例を挙げて説明してみましょう。

例えば、資金はあまり無いが高度な技術やアイデアを持っているAさんと、資金は豊富にあるが技術もアイデアも無いBさんが、共同で出資金1000万円のX会社を設立したとします。

X会社の設立に際してAさんは100万円出資し、Bさんは900万円出資しました。Aさんの持つ高度な技術力やアイデアのおかげでX会社は3000万円の利益がでました。

では、この3000万円の利益をどのような割合でAさん・Bさんに配当することになるのでしょうか?

X会社が株式会社だった場合、Aさん・Bさんは出資金額の比率に応じて配当金を受け取ることになります。

出資金額の比率は、Aさん:Bさん=100万円:900万円=1:9ですので

Aさんは高度な技術やアイデアを提供することで多大な貢献をしたにもかかわらず、300万円(3000万円×1/10 )しか配当金を受け取れません。

それに対して、Bさんは2700万円(3000万円×9/10) もの多額の配当金を受け取ることができます。

このように株式会社においては、出資した金額が少なければ技術やアイデアを提供して会社に多大な貢献をしたとしても、金銭的に報わないという問題点があります。実は、この問題点を改善するために新設された会社形態が合同会社(LLC)です。

X会社が合同会社(LLC)の場合は、出資金額の比率に関係なく利益配分の割合を自由に決めることができます。

ですから、事業においてAさんの技術力による貢献度合いが非常に高い場合は、Aさんの貢献度合いに応じてAさんに報いるべく、利益配当の割合を、Aさん:Bさん=9:1とすることも可能になります。

この場合、Aさんは2700万円(3000万円×9/10)の配当金を受け取ることができ、
Bさんは300万円(3000万円×1/10 )の配当金を受け取ることになります。

また、事業の方向性を決める組織の意思決定方法も、X会社が株式会社場合と合同会社(LLC)場合とで異なります。

X会社が株式会社の場合は、株主としての議決権は出資金額に応じて配分されていますので、議決権(出資金額)の9割を持つBさんが会社の意思決定を行うことになります。出資比率の低いAさんのアイデアや意見は会社運営に反映されにくいといえます。

それに対して、X会社が合同会社(LLC)の場合は、出資金額に関係無く意思決定の方法を自由に定めることができますので、出資比率の低いAさんのアイデアや意見も会社運営に反映させることが十分可能です。

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